TOKYO CONTEMPORARY ART FAIR 2008

見本市の二日間。昨日、土曜日はTCAF(TOKYO CONTEMPORARY ART FAIR 2008)@東美アートフォーラムへ。東京・名古屋・大阪・韓国から集められた40以上のギャラリー(と企業)による現代アートの見本市。規模はあまり大きくないけれど、恐らくART@AGNESアートフェア東京には出ていないギャラリーなんかの出展もあったのだろう*1
会場の作りもあってメモとかしてる余裕もなく、気になるギャラリーやアーティストのチェックがほとんど出来なかったのだけど、その中でもDM拾ったりどうにか覚えてたりで気になったのは以下。

  • 丸橋伴晃@ラディウム-レントゲンヴェルケ
    倒れている女性の写真に漂う不安定さが微妙に動的でなんだか引っかかった。会場入ってすぐ観たから、てのもあるかもしれないけれど。
  • 櫻井康弘@ガレリアグラフィカ
    女性の頭部の木彫なんだけど、装飾的に扱われているように見える頭髪が同時に物体としての支点となって構造的な重要性を主張していて、そんな豊かな頭髪の塊にふと穿たれた穴の中にに覗く異物のようにしてある顔面の異様な滑らかさと外された視線、微笑の表情とか、頭部という表象を介して木彫を過去への未来へも巡るような・・・、て、ちょっと分からなくなってきたよ。しかしとにかく良かった。例えば小谷元彦の木彫とか今回の櫻井康弘の作品とか、ああいう木彫大好き。
  • Kim Joon@Keumsan Gallery
    韓国生まれのKim Joonによる、人体をキャンバスとしたボディ・ペイント・フォト。というと重い作品が想像されるけれど、実際に見れば影のない極彩色のような世界が写されていてとても美しい。ふと値段表を手にとって眺めていたらギャラリストに声をかけられ、「今の円高でかなり安くなってますよ」とのこと。実際かなり安くなっていたし、買えない金額ではないのでクラッといきかけたけど僕もまだ初心者。どうにか踏みとどまる。来年にはもう買えない値段になってるかもしれないけれど、頭の片隅であの美しさは表層的すぎるかもしれないとも感じていてその判断はまだ出来なかった。
  • 龍口経太@GALLERY小暮
    日本画で緻密に描かれたメイドたち。その人物たちには会田誠的な雰囲気もありつつ、主題選びの巧さをどう取るかってとこで目を背けられないなと。
  • 添野郁@TEZUKAYAMA GALLERY
    真白な背景に浮かぶ、フォトショでシンプルに加工されたかのような人や車、樹木といった添景の集積による街の風景。メモメモ。
  • Park, Sang-hee@UM GALLERY
    ホックニー的、と言ったら見当違いかもしらんが、あの平面性がより強調されるようにさらなる適度な抽象化をみた絵画。しかしこのアーティスト、名前で検索してもUM GALLERYのHPにも出てこないのはどういうことだろう。

やはりまだ小さいフェアだからか人出も適度でじっくり楽しめた。とはいえ一般入場の人たち(つまりは僕のような人)への対応というか、何も悪いところはなかったけれど、将来のコレクターを育てる戦略をもうちょっとギャラリーや主催者側は考えても良いのになあなんて身勝手にも思ったりした。

*1:これとこれが出てない!っていう仔細なチェックは、面倒なのでしていないけれど。。。