Leni-Basso『Short Pieces Anthology』

Leni-Basso

Leni-Basso『Short Pieces Anthology』@森下スタジオ。振付家の異なる3作品によるオムニバス公演。

    • 「So So -葬送-」 振付・演出 小澤剛
    • 「Gadget」 振付・演出 堀川昌義
    • 「Paradiselogue」 振付 北村明子、映像 兼古昭彦

まずは「So So - 葬送 - 」。紙片が敷き詰められた白い3列の道の上をそれぞれ一人づつ、3人のダンサーが右端からスタートする。彼らが生まれてから現在に至る期間の歴史年表がスクロールしながら映し出される壁面を背景に、3人はそれぞれの人生を振り返るかのように足元に整列された紙片を崩しながら徐々にその道を進み、左端に到着しエンド。そのシンプルなコンセプトは嫌いじゃないけども、道がもろに可視化された時点で始点が分かれば終点を予期させるし、また年表も2006で終わることを示唆する存在であることに無意識すぎないかと思う。3人というのも中途半端かもしれない。一人で見せることが出来たならもっと良かっただろうに、若しくはもっとずっと大勢で出来たなら。
二つ目の「Gadget」。ポスト・パフォーマンストークで「(ダンスっていう)無駄なものを一度しっかり自分で作ってみたかった」的*1なことを振付・演出の堀川さんは言っていて、確かにそれくらい純粋に作られていたと思う。見ている間ずっと「なんて人間賛美な踊りなんだろう」と思っていた。男性二人と女性二人によるダンスは、あらゆる組み合わせで孤立/依存を繰り返して人間関係をなぞるかのようだった。
三つ目「Paradiselogue」。レニ・バッソのメインの振付・演出(アーティスティック・ディレクター)である北村明子によるワーク・イン・プログレス作品。ポスト・パフォーマンストークで「タイトル通り物語性を持った自分たちの世界(パラダイス?)を作ってみようと思った」と語っていたけれど、やはりまだ途上の作品だからか読み込めない。というかレニ・バッソ観るのは今回が初めてってのが残念だった。今まであまり触れてこなかったらしい“物語性”を持ち込もうとした*2って時点で、やはり過去と比較できる視点が欲しくなる。男女の対比やミュージカルのような振付*3、グルーヴィーなジャズ系の楽曲使いといいやけにヴィヴィッドな印象を残す作品だった。完成したら是非また見てみたい。
で、今日のタイトルは山頭火

*1:すみませんまたうろ覚え。覚えてた気でいるんだけど実際書いてみると俄然忘れてるもので。。

*2:とはいえ北村曰く、“物語性”はメンバーに否定されつつあるらしいんだけども。

*3:イメージでしかない発言です、あしからず。