愛しあう[FAIRE L’AMOUR]

愛しあう[FAIRE L’AMOUR]

午前中に届いたとあるレコードの内容の良さにウキウキするとともにそれなりの額を出してしまったプレッシャーとの釣り合いにホッとしながら大好きな一曲だけ何度もリピートした後、その前後を考える。要は、セットリストを考える。そうこうするうちに電車を一本乗り遅れただろうことを確認し、ようやく焦って家を出、馬車道へ。日仏共同制作プロジェクト“ 愛しあう[FAIRE L’AMOUR]”@横浜赤レンガ倉庫1号館。ジャン=フィリップ・トゥーサン原作、ヴェロニク・ケイ演出、ピエール・ミニャール、康本雅子出演の舞台。
これが、あまりにピエールをフィーチャーしていて呆れた。もちろん原作の一人称が「ぼく」ってのはあるけど、あれじゃあ康本雅子はいないも同然じゃないか*1。そしてピエールだけを取り出してみれば、今度は吹き出しそうな独唱とリズム(だけではないけど、まあそういう場面も多々)が思い出されるばかり。原作に倣うのは良いけど、俳優とダンサーと音楽家(も、いた。)を一人ずつ起用し、、とか、“らしさ”を醸すわりには作りこまれた感が無さすぎる。まあこの感想もあまりに薄いけれど、でもあれじゃあ何も思えないじゃないかっていうのが正直なところ。金返せ、と言ったら言葉として強すぎてどうもピンとこないけれどでもそういう気分にさせられた。

*1:康本雅子でなくても良いし、文字通り、そこにいなくても良いじゃん、てこと。康本雅子を観に行ったのに!っていう感情論とともに。