銀座の居酒屋で零時過ぎまで飲む。JRで上野に出、人気のない上野公園を過ぎ不忍池の脇を歩きながら眼前に聳え続けるソフィテルとルネッサンスタワーを眺める。ソフィテルはもうその再開発(超高層マンションへと。)が始まっていて、巨大なクレーンに寄り添われながらグレーのシートに覆われ闇に浮かぶ暗い直方体に成り下がっていた。その隣で百目のように点々とその窓を光らせ立つルネッサンスタワーとの対比があまりに対照的で、ドライな気分にすらなれないまま、ただ呆ける。
家に帰り着く間際繋がった電話でロマンチックとは程遠い会話を長々と交わしたけれど結局役には立てず、おやすみ、と。