SPACE FOR YOUR FUTURE

土曜日、友人の結婚式。仕上がったばかりのスーツを纏い、MUNGAIのポケットチーフを忍ばせて参加。MUNGAIのチーフ買ったときは、全く値札見てなかったものだから会計でちょっと驚いた。まだそんなに生活に余裕はないのだよ僕は。結婚式後の披露宴では会場前に設えられたラウンジでビールを飲み、披露宴が始まってからもシャンパン(スパークリングワイン)と赤ワイン、白ワインとを飲みすぎ、前日ほとんど寝てなかったのもあってかもう酔ったというより憔悴したという形容のほうが相応しいような状態に。2次会をだらだらと過ごし、帰宅後すぐ寝る。幸せの中心と頂点にいる友人を眺めるのは良いものだ。まあ、あそこに自分が立つことは全く想像出来ないが。
日曜日、『SPACE FOR YOUR FUTURE』展@東京都現代美術館。たまたま随分前から情報が入っていたこともあってやはり石上純也がかなり気になってはいたのだが、事前情報は無かったほうが良かったかもしれない。ピュアなキューブのイメージがあまりにはっきりと頭の中で出来上がってしまっていたから、アトリウムに浮かぶキューブ表面の露骨な歪みがどうにも許容出来なかった。しかし石上純也作品が備える、現物とは異なる位相でのイメージ喚起力・思考喚起力にはやはり凄いものがあって、今までの建築家が建築をプロダクトデザインへとさらりと落とし込んでみせるような手つきで彼は建築をアートに落とし込んでみせる。いや、“落とし込む”や“昇華する”といった表現ではなく、彼の作品には建築をアートとして語ることを許容する自由度があり、まあそれは同時に束縛的なまでにイメージに偏った作品でもあるということなのだけれど、その極端な単純さは恐らく罠のように存在するものでもあって、単純さの裏に潜むカオスに目を向けるという回路すらあまりにあっけらかんと開かれている。
SANAAフセイン・チャラヤン、AMID* アーキテクチャー、タナカノリユキ、オラファー・エリアソンエルネスト・ネト、デマーカスファン(デマーカスヴァン?)、nendo、マイケル・リン、足立喜一朗などまあ挙げるとキリがないのでこれくらいにしておいて、とりあえずそれらをフンフンと眺めながらも僕が気になったのはCOSMIC WONDERとbless。COSMIC WONDERの一見しての古臭さがあのオムニバスの中では浮いていて、それはやはりただ置かれた“モノ”自体を眺めることしかあの場では出来ないからなのだろうけど、とにかく気になったなあれは。blessは友人に薦められて以前HPを何度か覗いてはいたものの良く分からず、今回展示を見てもやっぱりそんなに分かりはしなかったけど、過剰な意味を纏うっていう態度は清々しい程で、あの態度は僕は好きなんじゃないかと思う。
あ、あとカーステン・ニコライの霧と光の空間が凄く良かった。入ったタイミングがあまりに良くて、最初「南寺」のパクリなのかとも思ったけれど。

ミュージアムショップでblessの本を買おうと思ったのだけど高くて手が出ず、COSMIC WONDERの本もちょっとだけ高かったので、結局blessの「STRIPES」だけ買って帰ってきた。