ART OSAKA 2011

大阪駅前のグランヴェルホテル26階ワンフロアを占有して開催されているアートフェア「ART OSAKA 2011」。大阪に来た去年は実は存在すら気付いていなかったけど、今年は行くことが出来た。
で、率直な印象から言うと、“絵”だな、と。オブジェ/彫刻や映像作品、またはインスタレーションなどが非常に少なく、絵画作品が中心となる印象。
多分その要因は二つあって、一つは時流的に現代日本的2次元空間とパーソナルな心象を重ね合わせる絵画表現が直近では注目されているということ、そしてもう一つは関西圏中心のアートフェアである中で、東京圏とは異なり圧倒的にギャラリーの層が薄いため、単純に総数を稼ぐ*1作品の中ではやはり主流の絵画が多くなるということ。

絵画表現がメインとなる中で、必然的に場所性と切り離された表現も多くなる。それはある種の閉鎖性として感じられた。アートフェアとしても、各作家の閉鎖性としても。まあ場所性だけにこだわることはないけれど、やはり客(鑑賞者/コレクター、どちらも言葉としてはイマイチだから、その中間が必要)が共有できる文脈の“入口”の構築はもうちょっと意識するべきなんじゃないか。

そういう意味では、絵画表現を主とするしないに関わらず、その“入口”を構築出来ている作家が気になった。ギャラリーと作家名だけ挙げれば、ART EDITIONのJEE YOUNG LEEやヒロ画廊の鮫島大輔、NINE GALLERYのLEE LEE NAMなど。
一般客の数は(ART@AGNESなどと比べれば)総じてそれほどでもない印象だったけれど、ミヅマアートギャラリーの三潴さんがTwitterで「関西は元気」的なことを呟いていたことから察するに、東京は本当に駄目で、相対的に関西は元気、という状況なのかもしれない。

*1:もちろんギャラリスト側はそんなつもりで出品していないだろうが、例えば全体の中でのミヅマアートギャラリーの異様な“強さ”等を思い起こせば、その他多くの/またはいくつかのギャラリーに対してこういう言い方もしてみたくなるというもので。。。(良い表現だとは思わないがしかし…ていう気分で)