風邪とSF

体が丈夫だとか健康だとか、どちらかといえばそういう所とは真逆に見られることが多いのだけれど、でもこの数年は風邪もひかずいたって健康に過ごしてきた。だから三日前から続く風邪はホントに久しぶりで、対処の仕方を忘れている。当初は、寒気や関節の痛みといった、普段は現れることのない身体内部からの情報を手がかりに空想解剖学的な一人遊びでもしようかしらんなんてユルユルと捉えていたら、いずれ寒気は強烈に感覚を覆ってしまい、そこでもう色々諦める。ベッドで横になる間とあるSFを読んでいて、そのクライマックスとなる章の盛り上げ方に若干興奮しつつも、読み終えてからの夢見の悪さったらなかった。風邪による浅い眠りの中で、空間/時間のスケールや最後には次元のスケールまで大胆に接続し跳躍してみせたSFのその各所が、脳内で本来のストーリーを逃れて脈絡なくカットアップ&リミックスされていく。それは疲れた脳と身体にはあまりにノイジーな夢で、午前5時に目が覚めた。
至って正統派で難解さも程々といったSFの思わぬ副作用に驚かされると同時に、風邪じゃなかったら飛躍がまた新たな飛躍を生むようなダイナミックな夢が見れただろうにっていう点が残念で。
薬も飲んで今はもうだいぶ回復。ただ今度は咳が出る。うーん。