ミクニヤナイハラプロジェクト「前向き!タイモン」

ミクニヤナイハラプロジェクト「前向き

昼、ミクニヤナイハラプロジェクト「前向き!タイモン」伊丹アイホール。観るのは2度目で、1度目は2年前の2011年秋にKYOTO EXPERIENCEの一環での公演だったかと。今回の舞台もその前回とほぼ同じ内容、同じ3人の演者、同じ舞台装置だったと思う。
矢内原美邦の戯曲は基本どれも情報量過剰(特にセリフ面)で、それ故に理解すら投げ捨てざるを得なくなったりすることがあるその感じこそが良さだ、なんて面倒なことも言えてしまう側面もあるし実際そう思ってもいるんだけど、既に以前観た舞台を今日ひさびさにかつ2度目を観る機会を持ってみると、驚く程すんなりと入ってくるもので。
理解したとは言わないまでも、ある種の切実さとともに感じ入った部分があったのは確かで。特にタイモンが言い続ける「待つ」ことについて、そこにタイトルのような前向きさも希望も何も感じないんだけど、それが逆の推進力にもなったりするし、タイモンが持つ人格である“良いタイモン”と“悪いタイモン”の間で俯瞰する“普通のタイモン”のような視点にもなったりするするだろうし、てなあたりに。何事にも先手を打つように回り込んで、回り込みすぎた結果、全てが起こるさらに前で立ち止まり続けることになるのには共感したくないんだけど、そこにある切実さはどうにも知らんぷり出来ないから、せめて対処法くらい備えておきたいじゃないか。

結果、今までみたミクニヤナイハラプロジェクトの中で一番良かったんじゃないかと思えた。