風邪とSF

体が丈夫だとか健康だとか、どちらかといえばそういう所とは真逆に見られることが多いのだけれど、でもこの数年は風邪もひかずいたって健康に過ごしてきた。だから三日前から続く風邪はホントに久しぶりで、対処の仕方を忘れている。当初は、寒気や関節の痛みといった、普段は現れることのない身体内部からの情報を手がかりに空想解剖学的な一人遊びでもしようかしらんなんてユルユルと捉えていたら、いずれ寒気は強烈に感覚を覆ってしまい、そこでもう色々諦める。ベッドで横になる間とあるSFを読んでいて、そのクライマックスとなる章の盛り上げ方に若干興奮しつつも、読み終えてからの夢見の悪さったらなかった。風邪による浅い眠りの中で、空間/時間のスケールや最後には次元のスケールまで大胆に接続し跳躍してみせたSFのその各所が、脳内で本来のストーリーを逃れて脈絡なくカットアップ&リミックスされていく。それは疲れた脳と身体にはあまりにノイジーな夢で、午前5時に目が覚めた。
至って正統派で難解さも程々といったSFの思わぬ副作用に驚かされると同時に、風邪じゃなかったら飛躍がまた新たな飛躍を生むようなダイナミックな夢が見れただろうにっていう点が残念で。
薬も飲んで今はもうだいぶ回復。ただ今度は咳が出る。うーん。

こないだのエントリで、自分を先回りして誘導と書きつつも、やはりある程度の量を一挙にまとめたいと思い続けると時間ばかりが過ぎてなかなか更新に辿り着かない。だからその時気になる曲やアルバムをちょっとずつ、小分けに置いていこうかと。

  • Linus' Blanket『Show Me Love』

01年結成の韓国のネオアコバンドLinus' Blanketの初のフルアルバム。結成からフルアルバム制作までに約10年の月日があるなかで、制作にあたっては過去曲も全曲録り直しを行ったとのこと。そんな経緯もあり、瑞々しい曲の数々をクオリティ高く聴くことが出来る。アルバム全編アコースティックな音の透明感に満ちているけれど、ここではその中でただ一曲だけエレクトロニカなこの曲を。

ショウ・ミー・ラブ

ショウ・ミー・ラブ

  • Oliver Koletzki & Fran『Lovestoned』

ベルリンのテックハウス系レーベルを主宰し、自らもアーティストとして多くのリリースをしてきたOliver Koletzkiによる10年作。レーベル全体の方向性やOliver自身の以前作にくらべ比較的ポップで、テクノ/ハウス色も抑えられた耳馴染みの良いアルバムになっている。タイトル曲となるこれ↓は、唸るベースもやけにファンキーなエレクトロニカといった調子で、ブラックミュージック好きにもアピールするんじゃないか。

Lovestoned

Lovestoned