仕事納めだったのだが、だからなんだって感じに仕事を持ち越すことになった。まあそれはとっくに分かっていたことだからここ3日間飲み続けていたのだがどうにも楽しめず、これを聴いてああ良いなあと思うような心像が見え隠れする。CD欲しいな。
そんなこともあってか、ここのところよくusedではない本を買っている。娯楽本ばかりだが、最近買ったものは以下。

『長い道』の帯には
「貴方の心の、 現実の華やかな思い出の谷間に、 偽者のおかしな恋が 小さく居座りますように。」
と、あとがきに寄せられたこうの史代自身の言葉が載せられている。
その物語、荘介と道の二人によるルーズで楽天的で擬似的な結婚生活の断片は、その中に時折現れる荘介の想いを先回りするような道の言葉/行動によってかろうじて僕らの“現実の華やかな思い出”にリンクしつつも、しかしどこまでもパラレルワールドのようにおかしな浮遊感をもって映し出されている。ラストにミクロな進捗が表れるものの結局それ以上でも以下でもない二人の生活を眺めている、その時間はなんだか特殊で、(これはこの作品の一側面でしかないのだけれど)日常の些細なコミュニケーションの不可が拡大された、また時には消し去られた世界の存在を知り安堵するようなそんな作品だろうか。“安堵”という言葉はまだちょっと違う気がしているけれど。

長い道 (Action comics)

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きのう何食べた?(1) (モーニング KC)

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溺れた巨人 (創元SF文庫)

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ひとりっ子 (ハヤカワ文庫SF)

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