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VORTEX/連環宇宙

ロバート・チャールズ・ウィルスンによる『連環宇宙』(原題:VORTEX)。『時間封鎖』『無限記憶』の前2作に続く3部作の完結編。そこでは、大きく2つの時間が交互に進んでいく。一つは、2作目となった『無限記憶/AXIS』から1万年後の世界で再び目を覚ま…

オノナツメ

しまったなあ買ってしまった。連載モノはキリがなくてちょっと・・・ていうのは「さらい屋五葉」を買っているからなんだけど、まあオノナツメは好きだしね。シーズン2があるのか、モーニング・ツー読んでないから分からないけれど、続くのならばちゃんと買うつ…

『イコノソフィア』

中沢新一『イコノソフィア』読了。イコンの崩壊した時代(イコノクラストの時代)の中で、過去のイコンが持ちえた意味空間と現代におけるその復権(の可能性)を読み、語り解く架空の講義。単にイコン(聖画)についてのみ語られるのではなく、例えば“書(=…

久しぶりに山頭火の自由律をタイトルに日記。自然との関わりの中にその身を投げ出した独りゆえの哀愁を謳うことの多い山頭火の句のなかにも、こんな風にただ寂しいだけでなくその向こうに他人の体温を感じさせるような句もあったりして微笑ましい。僕も同じ…

無限記憶

ロバート・チャールズ・ウィルソン『時間封鎖』(原題『SPIN』)の続編『無限記憶』(原題『AXIS』)読了。『時間封鎖』の中では二つの異なる時間軸のプロットといくつかの特徴的な関係性がそれぞれに読みどころを提供していたのに対し、こちらは単一軸での…

SFマガジン

今まで一度も読んだことのない「SFマガジン」なんだけど、この1月号は創刊50周年記念特大号Pt.1とのことで、海外SF特集になっている。現代のSF作家だけでなくウィリアム・ギブスンなんかも入っているとのこと。で、イーガンの本邦初訳の短編やテッド・チャン…

時間封鎖

ロバート・チャールズ・ウィルソン『時間封鎖』。21世紀の恐らくちょうど今頃、突如地球が黒い幕に覆われ、その外部の宇宙とは異なる時間の流れに置き去りにされる物語。現代の諸問題を幾つか摘んで反映させるその物語は、極端に言えば終末論の提示とその先…

ヨーロッパの目 日本の目

Vashitiと一緒に届いた本。安西洋之『ヨーロッパの目 日本の目』。著者の安西さんヨーロッパでの実践を経てビジネスプランナーとして独立した方。日本とヨーロッパの文化の差異を認識した上で、抽象論ではなく現実のビジネスを介してどのように生活に落とし…

最近買った本たち。凄く欲しかった本や、まだまだ浅い興味を深めるきっかけとなるような軽い本や、いくつか買った。新品でも中古でも。Bird作者: Roni Horn出版社/メーカー: Steidl発売日: 2008/09/01メディア: ハードカバーこの商品を含むブログ (2件) を見…

1ヶ月の労働時間の内訳が、通常<残業てなって、さらに通常≪残業てなってくると結構もう何も出来なくなる。体調は問題ないけれど、時間はなし崩し的に過ぎていく。一応は今日一段落したけど、その客先に向かう直前次の仕事のオリエンを受け、客先から戻った…

OBJECTS:USA

随分前に注文して、それ以来すっかり忘れていた本が届く。洋書『OBJECTS:USA』。陶器やガラス、ジュエリー、タペストリー、etcといったアメリカのクラフト作家を集め紹介する本。アメリカのどこかのカレッジの蔵書だったらしい古本で、注文したのは6月の頭頃…

『ユリイカ』2009年6月号

『ユリイカ』2009年6月号。特集はレム・コールハース。世紀の変わり目において(だからこそ)、世界的に注目を集め続けるスター・アーキテクト:レム・コールハースについての論評集。ビジュアル無しでこれだけコールハースについて語った本も他にないだろう。…

『DESIGN=SOCIAL』

柳本浩市『DESIGN=SOCIAL』。ずっと買わなきゃと思ってたのをようやく。そのタイトルにもあるように、デザインがデザインのためにあるのではなく社会との関わりの中で戦略的に用いるべきものだというのは前提として、今/これから、デザインを何のために用い…

午後過ぎから会社。あまり進まず、帰ってからこんなことならこれ↓行くんだったと後悔する。 Chim↑Pom 展覧会『広島!!』@NADiff 3月に原宿VACANTで3日間だけ行われた『広島』展には行ったんだけど、その再展示という形で行われるNADiffでの展示。6月12日〜18…

長坂常のはじめてのサイン

「SAYAMA FLAT」が有名だろか、スキーマ建築計画の長坂常による本『B面からA面にかわるとき』の出版記念展示@NOW IDeA by UTRECHT。ここに収められているのは「SAYAMAFLAT」や「奥沢の家」など、スキーマ建築計画の中でB面とよばれるプロジェクトで、例えば…

カロカイン

カリン・ボイエ『カロカイン−国家と密告の自白剤』読了。凄く面白かった。その背表紙に書かれた内容紹介は以下のようなもの。 地球的規模の核戦争後。人びとは、汚染された地表から地下へのがれ、完璧に全体主義的な警察管理体制のもと築き上げられた〈世界…

あとつい先週、会社のノートPCを持ち帰って作業する合間、ちょっとだけ嫌になって近所の古本屋へ。カロカイン−国家と密告の自白剤 (lettres)作者: カリン・ボイエ,冨原眞弓出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2008/09/11メディア: 単行本 クリック: 2回この…

最近買った本

本の未来をつくる仕事/仕事の未来をつくる本作者: 内沼晋太郎出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2009/03/19メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 32回この商品を含むブログ (52件) を見る↑最近“本”への新たな視点を軸に凄く面白い仕事してる人が現れてき…

You are what you eat.

イーティング・デザイナー:マライエ・フォーゲルサング(Marije Vogelzang)の『EAT LOVE』が届く。その内容は今はなきProefのblogで紹介されていたもの*1が8つの章立てにより紹介されるというもの(blogになかったものも入ってるかも。というか入ってるよね…

くらやみるくほーる

フランケンズを観た後、そのまま根津まで歩いて結構人ミルクホールへ。チーズケーキを食べながら仕事と読書を行ったり来たり。久々食べるここのチーズケーキはやっぱり凄く濃くてとても美味い。進まない仕事をよそにエリザベス・ムーン『くらやみの速さはど…

日高敏隆『春の数えかた』、ロバート・A・ハインライン『夏への扉』読了。『春の数えかた』は日高敏隆の軽快な語り口に乗った弾むような言葉が心地よく、その中に著者が日常の中で発見する(若しくは、振り返る)小さな発見や小さな疑問が粒立ち良く収められ…

昨日のエントリで紹介したTHE BOOK COVER ARCHIVE、僕は“1日当たりで追加されるのもどうやら0〜3冊っていう心許ないアーカイブ”と書いたのだけれど、今日見てみたらこの1日で一挙約80冊が追加されていてびっくりした。で今合計がちょうど1000冊。一昨日まで…

THE BOOK COVER ARCHIVE

最近、僕はかなり浪費づいていて、それは自覚しつつも一向に治まる気配がない。これは、“何か足りない”とか、そんな気分が漂う状況だろうか。そんな時気を落ち着けるのがこのサイト、、、と言ったら嘘になるけど、ともあれ沈静に近しい冷静な興奮状態(落ち…

2週間くらい前にAmazonで頼んだ洋書が届く。イギリスのインテリア系のショップ「baileys」のオーナーによる著書『Recycled Home』。使い込まれた、自由でこなれてどこまでも味わい深い空間(インテリア)がいくつかのカテゴライズのもと紹介される本。ホント…

今月は5日が仕事初めだった。で、まだ休んでない。明日日曜も会社。もちろん四六時中会社に貼り付いてるわけじゃないから、例えば知人の結婚パーティーやらがありそういうのには出れているものの、終電過ぎのタクシー帰宅と、さらに針は回ってメトロで朝帰り…

あまり外出れてなかったものだから、一度店(基本usedの)に入ってしまえば否応なく大漁。節度なし。まずは本。『資本論』も読む作者: 宮沢章夫出版社/メーカー: WAVE出版発売日: 2005/12/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 13回この商品を含むブログ (…

買った。きのう何食べた?(2) (モーニング KC)作者: よしながふみ出版社/メーカー: 講談社発売日: 2008/11/21メディア: コミック購入: 41人 クリック: 221回この商品を含むブログ (465件) を見る創造性の宇宙作者: 伊藤俊治,久保田晃弘,四方幸子,須永剛司,高…

そんなわけで、戯曲三話が収められたこの本も凄く面白かった。安部公房、小説よりも戯曲のほうが僕は好みかもしれない。友達・棒になった男 (新潮文庫)作者: 安部公房出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1987/08/28メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 16回この…

大江健三郎『取替え子 (チェンジリング)』、安野光雅『わが友 石頭計算機』読了。『取替え子 (チェンジリング)』、文芸界に疎い僕には解説を読むまで(何か、そんなことなんじゃないかという疑念は想起されつつも)分からなかった大江の現実からのモデル問…

もう随分前だけど、中野美代子『中国の青い鳥』を読了。そこに集められた語りのそれぞれは、打ち上げた狼煙を即座に忘れてはまた別の狼煙を上げ、そして自らはそこに見向きもせずスタスタと歩き去る、やけに開放的な印象を与えるものばかり。思考の軌跡の鮮…