Giuseppe Ielasiのか細い高音による神経質な音楽を聴きながら表参道と渋谷を歩く。Giuseppe Ielasiの音は、音楽というよりサウンドアート、若しくは繊細なノイズ音と言ったほうがイメージされやすいが、そんな音があれらの街には良く似合う。音で周囲を遮断するでもなく、周囲に同化するでもなく、その繊細な音の質によって周囲の音を自らと同列に存在させ、両者が融合した新たな位相を作りあげる。Giuseppe Ielasiの音とはそんな音だ。そうして出来上がるのは、音に埋め尽くされた街中故に生まれる真に遮断された世界。そんな世界だからこそ、あれらの街に良く似合う。