名古屋メモ

兄の結婚式のため名古屋(とその周辺)に行っていた土日。とても楽しかったけどその分とても疲れて、昼夜の気温差や目まぐるしい天候の変化、移動の疲れが相俟って風邪をひいてしまった。鼻が駄目になっていて、喉が痛く、各所のリンパが腫れて内側から圧迫してくる感覚。明日には治したい。

[diary]土曜日

土曜日が結婚式だったのだけど、式を執り行ったのは古い料亭のようなところで、その雰囲気もそれなりに良かったけれど、何よりもそこはご飯がとても美味しかった。結婚式を楽しいと思えたことがほとんどない僕にとって、今回の式が楽しかったと言えるのはひとえに“ご飯が美味しかったから”ということに尽きる。意外とみんなそんなもんだろってのが僕の意見なんだけど、どうだろう。夕刻jに差し掛かるちょうどそれくらいに式を終えて、その後兄夫婦それぞれの兄弟計6人でお茶。連れて行かれたのは高横須賀という駅の駅前すぐにある「道盅庵」という日本茶専門店。そこのお茶は、味も含めた体験として結構衝撃的なものだった。同じ茶葉で3度淹れられてくる煎茶は、例えばその1杯目だったら、数滴分くらいしかないんじゃないかというほどの少量で当初目を疑ったほど。実際、数回舌で舐めたら無くなってしまう量なのだけど、しかしそれでも香りと味わいは凄く深くて驚いた。茶を淹れる度に茶葉の香りを嗅がせてもらえるのだけど、その香りがあまりに魅惑的で、嗅ぐたびになんだか前頭部から麻痺が起こってクラクラするような感覚に襲われる。とにかくとても良い体験だった。店主に東京でもこちらに近しいお茶を味わえる店を伺ったから、近々そちらに訪れてみるつもり。その後同じメンバーで近くの五百亭というお店で味噌煮込みをいただく。味が濃いとはいえ美味しかったから、食べログみたら3点にも達してないのはちょっと納得いかない。あつた蓬莱軒(ひつまぶしの有名店)が4点超えてるとかも併せて、ちょっと僕の感覚とはずれている。
とはいえ、そんなところで土曜日は終了。義姉の妹との話が楽しかった。現実を眺めつつアクティブである人のしなやかな強さよ。

[diary]日曜日

日曜日。朝はホテルのバイキング(ビュッフェ?)だったのだけど、そこに串揚げと焼きそばがあったのには驚いた。朝から串揚げと焼きそばって、まあ串揚げはみそのソースと併せて名物だから辛うじて理解できるとして、しかし焼きそばってのはどうなんだ焼きそばってのは。その他のメニューもある中で、朝からあえて焼きそば食べる人いるのかよと思ってたところで、父が早速皿に盛っていてびっくりする。ああ、いるんですね。
10時過ぎにホテルをチェックアウト。まず古川美術館とそのチケットで入れる為三郎記念館へ。古川美術館は展示も建物も正直ひどかったけど、為三郎記念館はとても良かった。緩やかな斜面に建つ日本家屋はちょっと奔放すぎる構成かなという印象を持たせつつも、中庭の在り様や建物全体と庭の関係など、斜面を巧みに活かしていてとても良かった。広縁で抹茶と和菓子をいただけたのだけど、時間あったら是非あそこでダラダラしたかった。

その後、お店巡り。行ったお店は以下。各店でスタッフの方や店主/店員と話し込んじゃって、行きたいなとリストアップしてたとこはあまり回れなかったけど、しかし楽しかった。

で、一つ一つにちょっとずつコメント。
 「sahan」は家具と雑貨のお店。器や雑貨、日常使いのアンティークな道具、シンプルな木の家具等々を扱うお店。広くて明るくて気持ちよい店。布を一枚だけ買う。
 「florist_gallery N」は花屋であり、ギャラリーであり、住居であるっていうそんな空間。通りに面して大胆な開口を持つその建物は谷尻誠設計によるもの。店主であるご夫婦と話しながら建物の内部や外部の写真を撮らせてもらった。写真は快く許してもらえた。建物の前でご夫婦に並んで立った写真も撮らせてもらったりして、そういう人の関わりはとても良いなあとしみじみした。今思えば、何も買わなかったのが申し訳なかったなと。建築としても面白い建物だから、写真は明日以降載せます。
 「ca−the 中国茶」は10席ほどの小さな中国茶のお店。ここはもともと行くつもりだったけど、こちらの店の内装を務めたNAUTのお店が日曜が休みだったってのもあって、やはり行くしかない、と。前日の「道盅庵」ほどのインパクトはないけれど、店主の接客が完璧だったり、併せて頼んだお菓子が美味しかったり(とはいえこれ、ちょっとお茶の味消しちゃうんじゃないかなとも思ったけど。)と、絶妙な息抜きになった。僕が頼んだ桂火烏龍は、適度な渋みと後味の甘さが気持ちよかった。
 「尼ヶ坂」は名鉄瀬戸線で尼ヶ坂にあるお店。お店へ向かう道程、住宅街を歩いていたら遠くに路上でキャッチボールしてる人達がいて、そこはちゃんと歩道もある道路なのに車道でキャッチボールしてるからなんだか凄い光景だなと思って近づいていったら、その人たちは「尼ヶ坂」の店主&スタッフ&子供で、すぐそこにお店があったっていうそんな店。どんな店だよそれはってことだけど、広い店内にセレクトされた様々なプロダクトや本が置いてある、とりあえずそういう店であるにはあるんだけど、その店内を子供がところ狭しとはしゃぎまわっていたり、まあそれほどではないにしても外ではしゃぐ子供達の声が店内にこだまする、そんな素敵な店だった。扱っているモノも食指を動かされるものばかりで、いくつか我慢した後、本を2冊と緩い封筒を購入。
 「PROOF OF GUILD」は、住宅街の突き当たり、丘の中腹にあるジュエリーショップ&ギャラリー。恵比寿のgallery deux poissonsでの展示がたまに巡回したりもする、そんな場所で、こちらは「florist_gallery N」のご夫婦に薦められて足を延ばしたもの。ジュエリーはさすがに買わなかったけど、現在試作段階という動物をモチーフにした柄(え)をもつ金色のスプーンが凄く良くて、それは6月中旬に完成するとのことだからサイトの更新を眺めながら待って、更新されたら買うつもり。こちらでも店主(という呼び方で良いのかな。。。)の方と随分話す。美味しいアイスコーヒーまでご馳走になってしまった。
最後に、栄に戻り松坂屋のあつた蓬莱軒でひつまぶしを食べる。実は上記各店のうち何人かの方々にお薦めのお店を聞いていて、本当はそのどれかに行きたかったのだけど帰りの新幹線の時刻やらの兼ね合いで半ば諦め気味にこちらに、という経緯で。もちろん名古屋名物だし一応ねってのはありつつ、食べてみたけれど、上でも書いたように美味しいは美味しいんだけど食べログ4点超えてのはちょっと納得いかない。とはいえいつかは食べるものだろうしまあ良いさってことで、新幹線に乗り帰宅。帰りが指定席を取り忘れていたら案の定座れず、疲れは溜まる一方。日曜日一日でもかなり歩いたから、この新幹線は辛かった。
と、そんな感じの名古屋でした。行きたいところは他にもいくつかあってそこに行けなかったのは残念だったけど、それを補って余りあるくらい充実して感じられる日だった。次回があったら、その時は八重垣に行きたいなと。これは天麩羅屋さんで、日曜日に薦められたうちの一つ。食べログでは大したことないんだけど、もう名古屋の食べログは信用しないよ。