1ヶ月の労働時間の内訳が、通常<残業てなって、さらに通常≪残業てなってくると結構もう何も出来なくなる。体調は問題ないけれど、時間はなし崩し的に過ぎていく。一応は今日一段落したけど、その客先に向かう直前次の仕事のオリエンを受け、客先から戻った後にその資料を眺めながらウトウト。ちょっとゆったり過ごしたい。

こないだの土曜日、会社に行く前にちょっとだけの自由時間で表参道へ。まずはVACANTへ行き、大友良英『ENSEMBLES 09 休符だらけの音楽装置』展(大友良英+青山泰知+伊藤隆之/YCAM Inter Lab+α『without records』・・・どっちが展覧会名?)。広い空間に幾本もの高さの異なる細い支柱が立てられ、それぞれにはターンテーブルが据え付けられている。逆に天井からは幾本ものコードが垂れ、その先端には微かな明かりを灯す電球。単純に“森”と表するのも間違いではないなっていう空間になっていたけれど、それよりも不思議なことに僕は、建築的な空間性として、特にSANAAやさらには石上純也的なイメージを感じ取る。大友良英はイメージ的には(当然ながら)全く異なるところいるから、それはとても不思議だった。
ターンテーブルにはそのタイトル通りレコードは乗せられておらず、その台自体に針が直接落とされている。そして時折そこに流される電流によってそれらは回り、どこかで聞いたことがあるようなないような、そんなノイズを発している。会場に無数に置かれたターンテーブルはその全てが音を発するわけではなく、会場の各所でランダム(?)に流される電流により音を発する、散逸的な音場。それにあわせるようにいくつもの電球たちもゆらゆらのその明かりの強度を変え、時に薄暗く、時に明るく会場を照らす。
僕が観ていたとき同じ会場には僕以外に一人しか来場者はいなかったのだけど、その人はまるでもうずっとそこにいたかのように床で横になって眠りこけていて、その光景も含めとても良い雰囲気の展示に仕上がっていた。
その後、以前は根津にあって、今年の頭から表参道に移転したオヨヨ書林へ。店の入り口にはdroog designのウサギのドアマットが敷かれていたけれど、店内の雰囲気は変わらずストイックな古本屋。いろいろ手に取り、大竹伸朗初個展時の作品集に嘆息(高くて買えなかった)したりしながら眺めて、結局2冊だけ購入。

Art random (1) Shinro Ohtake (Art Random No 1)

Art random (1) Shinro Ohtake (Art Random No 1)

↑やっぱり大竹伸朗だけど。あと、Andy Goldsworthyの小さなランドアート集『Rain sun snow hail mist calm』を。