また最近手にしたCDたち。5枚中4枚が邦楽っていう相変わらずの傾向は続いている。

  • EXPLAINED EMMA 『The Ones That Got Away』
    80年代に僅か1枚のシングルを残して消えたバンド、EXPLAINED EMMAのアルバム。その1枚のシングルと08年に新たにプレスされたシングル曲の4曲に加え、未発表曲7曲による計11曲が収録。90年代半ばまで活動していたという彼らの楽曲ストックは膨大にあった中で、ジャズやスウィングを指向していた時期の曲に焦点を当て選曲が為されたとのこと。というわけで、ネオアコやフェイクジャズ、スウィング好きな人ならば間違いなく楽しめる内容になっている。時折演奏の稚拙さに気付く瞬間もあるけれど、そんなものはホントに些細なことさと思えるくらい。

The Ones That Got Away

The Ones That Got Away

  • S-KLAPP 『Born To Be ELECTRICAL』
    ORANGE RECORDSのタナカトモナオ(田中友直)によるエレクトロ/ディスコ/ポップなソロ・ユニット、スクラップのアルバム。カバー曲とオリジナル曲が半々くらいという構成。カバー曲は“NENA”や“M”などのニューウェーブやシンガーソングライター“Donna Lewis”、フリーソウル“KING HARVEST”(フリーソウルという紹介で果たして良いのかは置いて。)、さらにはストーンズまで幅広く、かつエレクトロの現代的な耳馴染みの良さという域を超えてクオリティ高く仕上げられている。対してオリジナル曲もそれらカバーに埋もれることなくどれも楽しく聴ける音になっている。
    でここでは、サビの弾け方で他を圧倒するオリジナル曲「Disco45」も良いのだけれど、それをさらに超えて良いKING HARVEST「Dancing In the Moonlight」のカバーを。


Born To Be ELECTRICAL

Born To Be ELECTRICAL

  • harmonic hammock 『ハローとグッバイ』
    ヴァイオリン等も含む7人編成によるアコースティックバンド。女性ボーカルとバックの繊細ながら厚みのある音は穏やかで美しく、リズムも曲ごとに比較的多彩。なのだけど、時にあまりに純粋で引いてしまうような曲もあり、今後も追いかけるかは悩ましい。新譜が出るごとにちゃんと聴いて確かめてからじゃないと買えないかもなあとも思う。

ハローとグッバイ

ハローとグッバイ

  • フラッシュバックあの人 『摩天楼と、蜃気楼』
    テリー&フランシスコのテリーこと福山輝彦による新ユニット、フラッシュバックあの人のアルバム。山口洋輔と組んでの二人ユニットで、当初テリー&フランシスコのことは知らずに買ったのだけれどその声を聴いてすぐに分かった。テリー&フランシスコでは音の個性はまだ控えめで古き良きシティ・ポップへの憧憬に満ちた音だったのが、ここではそこから一歩進んでより現代へとその音がアジャストされてきた印象。シュガーベイブ「Downtown」のカバーなんかもあるのだけれど、それも控えめながらとても良いエレクトロダンサーに仕上がっている。オリジナル曲も良いし、オザケン「さよならなんて云えないよ」のカバーなんかもあったりする。YouTudeから「恋する惑星」を。


摩天楼と、蜃気楼

摩天楼と、蜃気楼

  • mememe 『piano k.k』
    前回のエントリで書いた、“ここ数ヶ月欲しいと思ったままタブを残していて、しかし当然のように検索等は行っていなかったとある音源”がこれ。その帯にある紹介文を借りれば、“『クラシック・ピアノ』+『ボイス_2(男女)』+『アンビエントアブストラクト・トラック』。静寂の中で奏でられる美しいサウンドスケープたち”とのこと。このアルバムも出されたCoa Recordsの楽曲のカバーアルバムで、トミーザグレイトや空気公団狐の会残像カフェHarco等のアーティストの楽曲がカバーされている。発売されたのは07年。どれもクラシック・ピアノに控えめながら効果的なエレクトロ的装飾が施され、その上に男女のボーカルが柔らかく被さってくる。恥ずかしながら僕はどれ一つとして原曲を知らなかったのだけど、いくつかWEB上で聴けるそれらを聴いた上でこのアルバムを聴いてもそのどれもが原曲とは全く異なる位相にあって、なおかつ素晴らしいと思える。とりあえず、名盤なのは間違いない。全8曲の中で特に僕は狐の会「目薬の中の涙」のカバーが好きだった。これはオリジナルを聴けていないのだけど、しかしホントに良い。
    余談になるけれど思い切り僕の好みに引き寄せて語れば、元マイスティースのフロントマン次松大助のソロが好きな人なんかは間違いなく大好きな音だろうと思うよ。

piano k.k.

piano k.k.