洋楽いろいろ

書いては消し、消しては書く。音楽に言葉を添える行為に「?」を付けるような。
ここの更新をストップしている間にも、それなりの数の音楽に触れた。僕の嗜好も少なからず以前と変わっているだろう。以前よりもっとGroovyな音を欲しているかもしれないし、以前よりも比較的静かな音を好んでいるかもしれない。ただそれは、振り子で例えれば半径が狭まった(具体化した)だけの話でもある。直線上を往復する振り子というよりも、円を描く振り子をイメージで。その中心はほぼ動くことなく、半径だけが狭まったり、または等距離へと近づいて行く。360°を描く軌跡は変わらずにそれぞれの(全方位的な*1)音への興味を示し続ける、といった具合に。
そういうわけで、あまり言葉を寄せすぎることなく、いくつか。今回は洋楽縛りで。

後にTelexとして活動する鍵盤奏者Marc Moulinによるジャズ・ファンクバンドPlaceboの71年作1st。けだるさ(=メロウネス)を感じさせながらも、アルバムを通してグルーブとは何たるかを語りかけるかのように完璧な佇まいを見せる。個人的には、一生の名盤。
様々なサンプリング・ソースとなった「Humpty Dumpty」に加え、マーヴィンのカバー「Inner City Blues」も凄く良い。


ボール・オブ・アイズ [紙ジャケット仕様]

ボール・オブ・アイズ [紙ジャケット仕様]

  • Turi Collura 『Interferencias』

ブラジルで活動するジャズピアニストTuri Colluraによる07年作。瑞々しいばかりの勢いとクールネスに満ちたバップジャズの名盤。僕が持ってるのは輸入盤なんだけど、disques dessineeがボーナストラック入りの国内盤出してるのを知って、嗚呼凄く欲しいなあそれは。

↑制作当時の様子を背景にしたアルバム・ダイジェストらしいけど、写真や映像の“生”っぽすぎる所にはもう少し気を使って欲しかったよねっていう。。。

インテルフェレンシアス

インテルフェレンシアス

イギリス出身のバンド∆ (Alt-J)。フォーキーでアコースティックな音作りながらも、DubStepの影響を受たビートが乗ることで一風変わった世界観を作る。巷ではFolkStepと言われるとか言われないとか。来日ワンマンないかなー(サマソニには来るんだけども…)。

Awesome Wave

Awesome Wave

  • Andre Solomko 『Où es-tu maintenant ?』

フィンランドのサックス奏者らしいAndre Solomkoのソロ作。AOR/シティポップて言葉がぴったりはまる上に、ネオアコやらR&B好きにも通じるだろう一枚。

ウ・エチュ・マントゥノン?

ウ・エチュ・マントゥノン?

  • Smooth Reunion 『Cleaning Up The Business』

スウェーデン発メロAORユニットSmooth Reunion自主制作盤1stに続く2nd。落ち着いた音作りの一方でその声音は若々しいていうギャップも良い。どこでだったか、Lampの染谷さんが推してたりもした安定の一枚。

クリーニング・アップ・ザ・ビジネス

クリーニング・アップ・ザ・ビジネス

  • Beirut 『Lon Gisland』

アメリカ南部出身のZach Condon率いるBeirutによるEP。ヨーロッパのルーツミュージック/民族音楽的なブラスサウンドを基調に、Zachの低く情緒的な声が乗る。緩やかながら繊細な音楽。

Lon Gisland

Lon Gisland

  • Sweetmouth 『Goodbye To Songtown』

少し時代は遡って91年。元Fairground AttractionのMark E. Nevinにより結成されたSweetmouthの唯一のアルバム。音の方もまさに!なアコースティックスウィングながら、より落ち着きと穏やかさを感じさせる一枚。フェアグラ時代に書かれていた曲も多いらしく、↓これもそうらしい。ただしフェアグラ版ではライブ音源しかないらしいけど。

Goodbye to Songtown

Goodbye to Songtown

  • Adhitia Sofyan 『Forget Your Plans』

そして再び現代。インドネシアのSSW、Adhitia Sofyanによる11年作2nd。ほぼアコギだけで奏でられるその音は、控えめだけれども、聴く程にしみこんでくるような強さがあるというか。一人、何かを聴きたい、けれど聴きたい音がないなんて時に、いつも気付けばこれを流してたりする。

フォーゲット・ユア・プランズ

フォーゲット・ユア・プランズ

  • Puzzle Muteson 『En Garde』

イギリス出身のTerry MagsonによるソロプロジェクトPuzzle Mutesonの11年作1st。BjorkMumのプロデューサーでもあるらしいValgerir Sigurdssonが設立したアイスランドのレーベルからのリリースてことで、どうにも北欧づいてるなあこのエントリ…てのは、まあ良いか。ともあれ、何かずば抜けた一曲があるというよりもアルバムトータルでのクオリティに浸る一枚。繊細な音と揺れるようなボーカルの儚いバランスに諭されるように、ふとした瞬間を振り返りたくなる。

EN GARDE

EN GARDE

*1:とはいえ、まだまだ全方位的な興味とまでは行けていない部分もあるけれども。