Additive Inverse

朝帰り後の沈み込むような眠りを経てどうにか16時に家を出、乃木坂へ。時間ないからギャラ間はスルーしてTokyo Midtownへと向かう。目当ては21_21 DESIGN SIGHTなのだけどせっかく来たし一応ってことでまずサントリー美術館へ。開館記念展『日本を祝う』。これがちょっと酷い。キュレーション適当すぎるんじゃないか。「祝い」もしくは「祝いの場」をもっと具体的に提示(定義)してみせないと、ただ過去の美術/工芸品が並ぶにすぎない展示になってしまう。デパート空間である“Galleria”内3階という場所柄、そういう軽い展示を役割付けられてたりするんだろうか(いやまさか)。
その後Galleria内や隣接するPlazaをぶらぶら。Galleria3階はデザイングッズ系ショップばかりが連なっていてとても楽しそうだったけどリアルに楽しむにはもっとお金が必要だろうから、ほんとに気になった店だけ覗いておく。外のPlazaには大屋根がかかっていて、ビル郡に囲まれているから遠目には窮屈に映るけどしかしその矮小さが自虐を転化したようになんだか上手く納まっていて意外に好感。大屋根を支える柱と所々配置された樹木のバランスが良い、かも。
でようやく21_21 DESIGN SIGHTへ。『安藤忠雄 2006年の現場 悪戦苦闘』展の一画にあるフォーサイスインスタレーションを観る。そこでパフォーマンスが行われていて、そのために20分程並んだ。小さな幾何学模様を描いて壁に配された、自らの動きを制約する枷となる糸を少しずつ剥ぎ取っては体に絡めながらダンサー(アレッシオ・シルヴェストリン)が踊る、10分弱の短いパフォーマンス。白い壁から剥がされていく細い糸はその背景を失った途端にほとんど見えなくなり、その為ダンサーに与えらているだろう制約は見る者にとっては限りなくイマジナティブな存在になる。繊細だけど心に留めて置きたいパフォーマンスだった。フォーサイスインスタレーションは、そういえばちゃんと見れてないのだと後で気付く*1。しまった。。
安藤展で21_21 DESIGN SIGHTやその他近作(進行中のものがほとんど)の設計過程を眺めてたらそのなかに東大の本郷通り沿いに現在建設中の福武ホールがあってその全貌を初めて見たのだけど、結局地中に収まる以外に2層分のボリュームが地上に現れてしまうらしい。出来れば全て地中、無理ならせめて一層で抑えて欲しかったからかなり残念。むう。
またしばらくMidtownとその周辺を歩いた後、千駄木に向かい古書ほうろうへ。一月以上ぶり。イーガンの『宇宙消失』を見つけてほくほく。計5冊購入。

[diary]

地下鉄とその駅、特にホームは、もっとお洒落なというか気の利いた空間であるべきだと思う。

*1:サイトには音楽担当者の存在も書かれてるけど、パフォーマンス中は無音だったし、映像も全く変化してなかったから。